問題社員を解雇したい!ブライダル業での退職勧奨

 

土日勤務や残業の多さなどから人手不足が課題となりやすいブライダル業界ですが、人材確保のために採用基準を緩めることで、社内のトラブルを起こす問題社員を採用してしまう可能性もあるでしょう。

 

会社や顧客を守るために問題社員を解雇する場合、進め方を間違えると不当解雇と見なされる可能性があります。

 

そこで今回は、問題社員を解雇するときの注意点や退職勧奨を弁護士に依頼するメリットなどを紹介します。

 

1.ブライダル業での解雇・退職勧奨問題とは

解雇とは、会社が一方的に社員との労働契約を解除することです。日本では労働者保護の観点から、社員を解雇するための条件が定められていて、簡単に社員を解雇することはできません。

 

社員を解雇するためには正当な理由が必要です。たとえば、正当な理由なく無断欠勤や遅刻を繰り返す、会社の機密情報を漏洩するなどは正当な解雇理由となります。

 

一方、退職勧奨とは、解雇が難しい場合に社員に自主的な退職を促すことです。正当な解雇理由はないけれども社員を解雇したい場合は、退職勧奨を検討しましょう。

 

たとえば、能力不足でどれだけ指導しても期待していた役割が果たせない、言動や職務態度に問題があるなどです。

 

このように、解雇は会社側に主導権がありますが、退職勧奨を受けて会社を辞めるかどうかは社員が決めます。

 

ブライダル業は、顧客の人生の大切な場面をサポートする仕事です。式当日や打合せを無断で休むことは顧客に多大な迷惑をかけてしまいます。また、ブライダルにはウェディングプランナーや会場スタッフなど多くのスタッフが関わるため、協調性も求められます。

 

問題社員を雇用し続けることは、顧客だけでなく会社のイメージダウンにもつながるでしょう。

 

2.解雇の危険性、退職勧奨の難しさ

先述の通り、正当な理由があれば会社が社員を解雇できます。しかし、社員は解雇されることで職を失うだけでなく、会社都合による退職という理由が転職において不利になることも考えられます。

 

場合によっては不当な解雇であると社員が主張して、訴訟や労働審判を起こされる危険性を含んでいます。もし、会社側が敗訴した場合、慰謝料の支払いや雇用の継続を命じられることもあります。つまり、問題を起こした社員に金銭を支払ったうえで、雇用を継続しなければならないということです。

 

退職勧奨にも難しい点があります。退職勧奨は社員に拒む権利があるため、なかなか退職の同意を得られないことです。

 

退職の同意を得るために、解雇をほのめかした退職勧奨や退職強要をすると、違法と見なされて慰謝料の支払いを求められることもあります。また、退職勧奨が思った通りに進まないため、解雇してしまうと不当解雇のトラブルにつながるので注意が必要です。

 

3.解雇・退職勧奨で弁護士に依頼するメリット

知識がないまま解雇や退職勧奨をすると、不当解雇や違法な退職勧奨と判断され慰謝料を請求されるといったトラブルに発展する可能性があります。

 

解雇や退職勧奨を検討している場合は、労働問題に詳しい弁護士に相談するとよいでしょう。弁護士に相談するメリットには次のようなものがあります。

 

①適正な条件で退職勧奨を進められる

社員の合意を得るうえで重要になるのが適切な退職条件の提示です。退職の合意を得るために大切なのは、退職勧奨をする前に、社員が納得して退職勧奨を受け入れるための材料を用意することです。

 

退職日の設定、退職日までの待遇、退職金の上乗せについてなどの条件面をどうするのか、会社都合・自己都合のどちらとして扱うのかなど、適正な条件が設定されていないと社員は納得してくれません。

 

弁護士に依頼すれば、対象となる社員の事情を踏まえた適正な条件を設定してくれるので、退職の合意が得やすくなります。とくにお金に関することは問題になりやすいため、適正な条件が設定できない場合は必ず弁護士へ相談しましょう。

 

②退職勧奨の面談への同席や交渉の依頼ができる

退職勧奨の面談は、パワハラや退職強要にならないように注意が必要です。退職の同意を得られないからといって圧力をかけると、違法行為とみなされます。

 

会社と社員だけで面談すると、お互い感情的になってしまい交渉がうまくいかないことも考えられます。しかし、弁護士が同席することで適切な対応で話を進めることが可能です。

 

弁護士は、第三者の視点で社員に納得してもらえるよう交渉してくれるので、後から社員に違法な退職勧奨だと訴えられることも防げます。

 

③退職合意書の作成サポートを受けられる

弁護士に依頼することで、退職合意書の作成サポートを受けられます。退職合意書とは、会社と社員との間で、退職時または退職後の条件や遵守事項などについて合意した内容を記載した書面です。

 

退職合意書の作成は、法的に決められているわけではありません。しかし、退職合意書を作成することは、退職後に訴訟を起こされるといったトラブルの回避や、企業秘密やノウハウの流出を防ぐといったリスク管理に役立ちます。

 

弁護士によるサポートを受けることで、シンプルかつ必要な項目が入った退職合意書を作成することが可能です。

 

4.まとめ

問題社員を放置することは、顧客だけでなく会社へも悪い影響を及ぼす可能性があるため、解雇や退職勧奨といった対応を検討しなければなりません。

 

しかし、解雇や退職勧奨は適切に進めないと訴訟に発展する可能性もあります。

 

問題社員の解雇や退職勧奨を検討している場合は、労務問題に詳しい弁護士に相談しましょう。

 

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弁護士 川村勝之

大学院時代には労働法を専門的に学び、弁護士となる。2015年にリフト法律事務所を立ち上げる。法律に関する知識に加え、IT関連の知識やコーチングの知識にも造詣が深く、多数の企業の顧問弁護士を務める。

 

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