【ブライダル業者必見!】婚礼写真に関する法律問題の注意点を弁護士が徹底解説

婚礼写真を公共の場や公道で撮影したいけど、以下のような疑問を抱えている方も多いのではないでしょうか。

・「無断で撮影していいのか」

・「許可を取らなかったらどうなるのか」

そこで今回は、婚礼写真を公共の場・公道で撮影するときの注意点や法律に関して紹介していきます。法律に違反せず、一生に一回の思い出を残すためにぜひこの記事を参考にしてみてください。

 

1婚礼写真の撮影で知っておくべき2つの法律知識

婚礼写真に限らず、写真に関しては問題となることが多いものです。

婚礼写真を撮影し、その写真のサービスを提供する際には、注意しなければなりません。なぜなら婚礼写真の撮影では、「著作権」「肖像権」という問題があるからです。

「著作権」とは、音楽、本や写真などの著作物に関する著作権者などに認められている権利をいいます。写真でいえば、撮影した人(著作権者)が、写真をどのように使うかを決められる権利といえます。

著作権は、「著作財産権」「著作者人格権」2つに分類されています。一般に「著作権」という場合は、「著作財産権」を指します。

著作財産権は、著作物の経済的活用法に着目したものです。

写真でいえば、撮影者が写真をコピーして配る、レンタル料をもらうなど、写真を使って商売をしていく権利で、著作物を作った人の経済的部分を支えるものです。この場合、写真のデータとともに権利を譲渡することが可能で、譲り受けた人は、権利の対価を含めた代金を支払うことになります。著作権法では、著作財産権として、複製権、頒布権、譲渡権、貸与権、翻訳権、翻案権などの11個の支分権を認めています。

著作者人格権は、著作者の人格的利益に着目したものです。

これはビジネスというよりは、著作権者の心を守るものです。著作権法では、著作者人格権として、公表権、氏名表示権、同一性保持権を認めています。

公表権とは、著作物(写真など)を公表するか否か、いつ公表するのか、どのように公表するのかについて、著作者が自由に決定することができる権利です。

氏名表示権とは、著作物(写真など)に氏名を表示するか否か、氏名を表示する場合に本名を用いるのか、ペンネームなどを用いるのかについて、著作者が自由に決定することができる権利です。

同一性保持権とは、著作物(写真など)に対する改変(切除や変更など)を防ぐことができる権利です。

したがって、著作者人格権は、一身専属権であり、他人に譲渡することができないものです。

「肖像権」は、著作権法などで明確に規定されている権利ではありませんが、日本国憲法から導き出されるプライバシー権と解され、判例により認められた権利で、肖像をみだりに撮影されたり、公表されたりしないための法的な保証です。したがって、被写体となる人から撮影および公表のいずれについても承諾を得る必要があります。

婚礼写真の肖像権では、被写体となる人(新郎新婦、参列者など)の権利関係という問題があります。

婚礼写真の撮影は法律違反になるケースとならないケースがある

婚礼写真では、新郎新婦はその思い出を残すために撮影に同意して臨んでいますが、参列者については検討の余地があります。参列者には当然ながら肖像権がありますので、その承諾を得ていない(黙示の承諾もなかったといえる)場合には、法律違反になると解されます。

ただ、参列者が全体写真で写るようなケースでは、その承諾(あるいは黙示の承諾)があったとみなされますので、その肖像権の侵害にはあたらず、法律違反にはならないといえましょう。

①公共の場(公園など)・個人が管理している場所での無断撮影は法律違反

公共の場(公園など)や個人が管理している場所において無断で撮影することは、公共の場(公園など)にいる人のプライバシー権や肖像権、また個人が管理している場所におけるプライバシー権を(被写体が人であれば肖像権も)侵害するもので、法律違反になります。

②公道での写真撮影は許可が必要

公道で写真撮影する場合には、肖像権を持つ人の許可が必要になります。

 

2婚礼写真を公道で撮影する場合の2つの注意点

婚礼写真を公道で撮影する場合には、プライバシー権と肖像権に対する配慮が必要になります。

公道にたまたまいた人には、その場にいたことを知られたくないなどのプライバシー権があるとともに、撮影されたくないという肖像権があります。したがって、婚礼写真を公道で撮影する場合には、婚礼の関係者以外の人については、法律違反という問題が起こらないように注意するのが肝要です。

公道で撮影する場合は警察に撮影許可を取るのが無難

公道でどうしても撮影する必要がある場合には、後々問題が起こらないように、警察に撮影許可を取るのが無難といえるでしょう。

①公道での写真撮影が法律違反になるケース

判例は、「人は、みだりに自己の容ぼう等を撮影されないということについて法律上保護されるべき人格的利益を有する」としています(最大判昭44.12.24刑集23121625)

では、肖像権の侵害についてはどのように考えたらよいのでしょうか。

判例は、「ある者の容ぼう等をその承諾なく撮影することが不法行為法上違法となるかどうかは、被撮影者の社会的地位、撮影された被撮影者の活動内容、撮影の場所、撮影の目的、撮影の態様、撮影の必要性等を総合考慮して、被撮影者の上記人格的利益の侵害が社会生活上受忍の限度を超えるものといえるかどうかを判断して決すべきである」としています(最判平17.11.10民集5992428)

したがって、犯罪捜査とか正当な取材行為等でない限り、公道において、全身像に焦点を絞り込み、容ぼうを含めて一般人を大写しで撮影した場合は、肖像権を侵害するもので、法律違反になると解されます(街の人事件・東京地判平17.9.14参照)

②公道での写真撮影が法律違反にならないケース

人が行き来する公道に身を置いているときは、その限りで肖像権を放棄したか、あるいは黙示の承諾を与えたと評価される場合もあると思われます。しかし、判例のいう「人格的利益」、すなわち肖像権も保護されなければなりません。

したがって、公道での写真撮影が、「撮影した写真の一部にたまたま特定の個人が写り込んだ場合や不特定多数の者の姿を全体的に撮影した場合」は、肖像権を侵害したとはいえず、法律違反にならないと解されます(上記東京地判「街の人事件」参照)

 

3婚礼写真の無断撮影で法律違反になった場合

婚礼写真の無断撮影で法律違反になった場合には、肖像権を侵害したことになりますので、不法行為者として、損害賠償責任を負うことになります。

所有者・管理者から損害賠償を求められる

婚礼写真を無断で拡散させた場合には、その写真の所有者・管理者の権利を侵害したことになりますので、損害賠償を求められることもあるでしょう。

①結婚式の前撮りやフォトウエディングも同様

結婚式の前撮りやフォトウエディングを利用する場合には、著作権と肖像権の問題がありますので、かならず著作権者と被撮影者の双方から承諾を得る必要があります。

②ブライダル業界はSNSの写真アップも特に注意

婚礼写真をSNSにアップする場合には、写真の著作権を持っている人の承諾を得るほか、肖像権を持つ被撮影者の承諾を得る必要があります。この点、ご注意ください。

 

4まとめ

コロナ禍の中、結婚式・披露宴をしない場合でも、婚礼写真の需要は伸びているといわれています。そうした場合、フォトウエディング著作権の問題だけでなく、婚礼写真一般における著作権、プライバシー権や肖像権といった問題も生じかねない状況にあります。

リフト法律事務所は、『頼れる社外法務部』として、ブライダル・ウェディング業界のリーガルサポートを提供しています。

契約書・規約のチェックなどはもちろんのこと、新規事業におけるスキームが法的に問題ないか、またどのようなリスクが考えられるかを弁護士の観点から判断し、経営やビジネスの視点からも対策します。また、IT・DX化対応も積極的に行っておりますので、幅広くサポートすることができます。

さまざまな業界での経験や広い視野をもとに、ブライダル・ウェディング業界の各事業者様に寄り添った適切なサポートを行って参ります。

『依頼』ではなく、まずは『相談』から始めてみませんか。

★『法律相談(初回60分無料相談)の予約』はこちら

【リフト法律事務所】
▼The Wedding Lawyerパンフレット(PDF)のダウンロードはこちら
The following two tabs change content below.

弁護士 川村勝之

大学院時代には労働法を専門的に学び、弁護士となる。2015年にリフト法律事務所を立ち上げる。法律に関する知識に加え、IT関連の知識やコーチングの知識にも造詣が深く、多数の企業の顧問弁護士を務める。

 

  • 顧問契約をお探しの方へ
  • 顧問弁護士サービスのメリット
  • 顧問弁護士サービスの特徴
043-244-7115 受付時間 9:30〜18:000

ご相談の流れはこちら

 

043-244-7115 ご相談の流れはこちら