【弁護士が解説】フォトウェディング・前撮りで法律に注意すべき3つのシチュエーション

フォトウェディング・前撮りに関して、以下のような疑問を抱かれる方も少なくないのではないでしょうか。

・「公道や公共施設で写真撮影をしていいの?」

・「前撮りで美容師を出張してもらうことはいいの?」

 そこで今回は、フォトウェディング・前撮りのときに法律に特に注意すべき、3つのシチュエーションについて解説していきます。注意点や解決策も紹介しているので、結婚を控えている人やブライダル関連に携わっている人は是非参考にしてみてください。

 

1.フォトウェディング・前撮りに関わるさまざまな法律問題

人生の一大イベントであるブライダル・ウェディングの前撮りや、式を挙げずに記念撮影を望むフォトウェディング。

フォトウェディングの前撮りに関わるブライダル・ウェディング業界には、どの様な法律問題があるのでしょうか?

フォトウェディング・前撮りのときの法律問題は、多岐にわたります。例えば、フォトウェディングの「著作権法」やロケーションにおける「許可申請」・訪問理美容における「美容師法」・式場と提携業者(衣装屋や写真屋)以外の持込の規制や持込料における「独占禁止法」と「消費者契約法」などが挙げられます。

本コラムでは、フォトウェディング・前撮りのときの3つの法律問題、フォトウェディングの「著作権法」やロケーションにおける「許可申請」・訪問理美容における「美容師法」について解説したいと思います。 

(1)スムーズに行うには知識付けが重要

フォトウェディング・前撮りをスムーズに行うには、フォトウェディングにまつわる法的な知識付けが重要となってきます。

一生の大切な思い出のシーンを撮影するブライダルカメラマンに関わる職業には、ヘアメイクアーティストやブライダルスタイリストが挙げられます。

ヘアメイクや衣装は写真と関連性の深いジャンルであり、これらの職業は連携して、新郎新婦の身支度や写真撮影を行っています。

また、ウェディングコーディネーター(ブライダルプロデューサー・ブライダルコーディネーター)もブライダルカメラマンに関連する職業のひとつです。

ウェディングコーディネーターは結婚式の総合的なプロデュースや管理を行い、ブライダルカメラマンの手配も担います。顧客のニーズを元に、ウェディングコーディネーターとブライダルカメラマンが打ち合わせを行うこともあり、関連性は深いと言えるでしょう。

このような職種に関わる方であれば、フォトウェディングに関する3つの法律問題を最低限押さえておきましょう。

 

2.公共施設で写真撮影する場合

公共施設で写真撮影をするには、公共施設の管理者(地方自治体・指定管理者等)に使用許可申請をしなければなりません。(地方自治法第244条)

(1)公共施設で無許可撮影は法律違反

公共の施設での写真撮影は、その施設の管理権を有する施設管理者(地方自治体・指定管理者等)の許可が必要です。

したがって、公共施設での無許可撮影は法律違反となり、写真の没収や立ち退き・利用を制限されたり金銭的な制裁が課される恐れがあります。

(2)写真を撮影する場合は管理者の許可が必要

私有施設に限らず、公共施設で写真撮影をするには、公共施設の管理者(地方自治体・指定管理者等)に使用許可申請をしなければなりません。

許可が下りたなら、施設使用料を納付します。 そして、施設管理者の定めたルールに従い使用する必要があります。

なかには、著作権を有する建造物があり撮影に承諾が必要となるケースや、写っている建物の著名度にただ乗りするような使い方(フリーライド)も問題になる可能性がありますので、あわせて注意が必要です。(著作法第46条)

また、撮影した写真の中に対象外の個人が特定されるような姿(肖像権)や著作物が映り込んでしまう場合がありますが、特定できないよう加工するなどの処理が必要となってきます。

公道で撮影する時にも同様の注意が必要です。

 

3.公道で写真撮影する場合 

公道などでは基本的に場所を占有しない限り自由に撮影できるとされていますが、道路を通行以外で使用するには、道路使用許可申請や道路占用許可申請の申請が必要になります。

道路使用許可申請は、道路交通法77条1項の規定に基づき、その地域を所轄する警察署に申請をしなければなりません。

許可は必要なケースは、道路交通法第77条第1項によって以下のように定められています。

・道路において工事もしくは作業をしようとする行為(1号許可)

・道路に石碑、広告板、アーチ等の工作物を設けようとする行為(2号許可)

・場所を移動しないで、道路に露店、屋台等を出そうとする行為(3号許可)

・道路において祭礼行事、ロケーション等をしようとする行為(4号許可)

 

(1)公道で撮影するときは場合によって法律違反になるケースもある

道路上に物を置き交通の妨害したり、道路上の人や車を損傷させるおそれのある物を投げるなどの行為を行うことは絶対的禁止行為といい、道路交通法第76条で禁止されています。交通の妨害や危険がなく、社会的な価値を有するものは、警察署長の許可を得れば、使用することができます。

道路使用許可を出すのは、交通管理者である所轄警察署長です。

 ①法律違反になるケース

道路使用許可申請をせず、公道を占有して写真撮影した場合、法令違反となります。

公道などでは基本的に場所を占有する行為や、道路上に物を置き交通の妨害したり道路上の人や車を損傷させるおそれのある物を投げるなどの行為を行うことは絶対的禁止行為といい、道路交通法第76条で禁止をされています。

 ②法律違反にならないケース

公道などでは基本的に場所を占有しない限り自由に撮影できると解されていますが、上述したとおり道路を占有して写真撮影を行うには、道路使用許可申請が必要になります。

 

4.美容師を派遣する場合

結婚式より前に行われる前撮りの為に、ヘアメイクの美容師が訪問することがありますが、これは法律上問題ないのでしょうか。

美容師法の内容や例外をふまえ、安全に事業を行いましょう。

(1)美容室以外でのヘアメイクは法律違反 

美容師法第七条には、次のとおり定められています。

「美容師は、美容所以外の場所において、美容の業をしてはならない。ただし、政令で定める特別の事情がある場合には、この限りでない。」

したがって、結婚式より前に行われる前撮りの為にブライダルのヘアメイクする美容師の訪問理美容は、法令違反となります。      

(2)法律違反にならない場合

美容師法第七条には、上記のとおり政令で定める「特別の事情」がある場合には、例外規定を設けています。

2016年に改正された美容法施工令第4条1項には、例外規定として次のように定められています。

「第四条 (美容所以外の場所で業務を行うことができる場合)

美容師が法第七条ただし書の規定により美容所以外の場所において業を行うことができる場合は、次のとおりとする。

一 疾病その他の理由により、美容所に来ることができない者に対して美容を行う場合

二 婚礼その他の儀式に参列する者に対してその儀式の直前に美容を行う場合

三 前二号のほか、都道府県(地域保健法(昭和二十二年法律第百一号)第五条第一項の規定に基づく政令で定める市(以下「保健所を設置する市」という。)又は特別区にあっては、市又は特別区)が条例で定める場合」

政令で定める「特別の事情」とは以下の2つがあります。

①美容室などに来ることができない場合

骨折、認知症、障害、寝たきりの方、自宅で育児、介護を行っていて外出するのが困難な人がこの「特別な事情」に該当します。

つまりはケガや病気で理容室や美容室に行くのが困難な人、または家族の介護や育児などで家を離れると家族の安全が保てなくなる人であれば訪問理美容が利用できます。

②婚礼その他の儀式に参列する者に対してその儀式の直前に理美容を行う場合

結婚式本番前にヘアメイクをするのも、特別な事情に該当します。

 

5.まとめ 

リフト法律事務所は、『頼れる社外法務部』として、ブライダル・ウェディング業界のリーガルサポートを提供しています。

契約書・規約のチェックなどはもちろんのこと、新規事業におけるスキームが法的に問題ないか、またどのようなリスクが考えられるかを弁護士の観点から判断し、経営やビジネスの視点からも対策します。また、IT・DX化対応も積極的に行っておりますので、幅広くサポートすることができます。

さまざまな業界での経験や広い視野をもとに、ブライダル・ウェディング業界の各事業者様に寄り添った適切なサポートを行って参ります。

『依頼』ではなく、まずは『相談』から始めてみませんか。

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弁護士 川村勝之

大学院時代には労働法を専門的に学び、弁護士となる。2015年にリフト法律事務所を立ち上げる。法律に関する知識に加え、IT関連の知識やコーチングの知識にも造詣が深く、多数の企業の顧問弁護士を務める。

 

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